新書は面白い①
『世界秩序が変わるとき』斎藤ジン 文春文庫
みんないまは面白そうな本を知る機会はsnsからが圧倒的に多いのでは?特に私のYouTube はひたすら新書ばかり勧めてくる。それはそれでアルゴリズムってやつもけっして悪いもんではないと重宝しています。
ということで、ここのところ手当たり次第新書を読んでいたのだけど、改めて新書って、なんて素晴らしいんだろうと、その機能の高さに感動! いまさらですか?
だってその道の研究者やジャーナリストの長年の研究成果や最新のレポートを極めてコンパクトにわかりやすく解説してくれるし、ジャンルは歴史、経済、科学、政治、哲学、文学、雑学などなんでもあり。
新書ブランドもずいぶん増えた。それぞれ独自のカラーがある。玉石混交、羊頭狗肉。でもそれを書店で見極めるのもまた楽しい。
そして軽いので、カバンに2冊入れておいても邪魔にならない。自分は読む時は帯もカバーも外してしまうので、もはや本というよりテキストという感覚になる。だからページに線引いても、気になるページを折っても単行本と違って全然気にならない。しかも1冊1000円前後だから書店では3冊くら大人買いしちゃう。そうすると当たりの確率だって増える。
2000円前後出して買った単行本が期待ハズレだとつらいよねー。
いまは雑誌がとても高いので、この新書の手軽さはありがたい。 オーディブルになっている新書も多いので、歩きながら聴くことも増えたなあ。
『世界秩序が変わるとき』斎藤ジン 文春新書
YouTubeで石田衣良さんが強く推してたので購入。
年末に出た新書。すごくよい内容。この本はもっと売れるべきだと思うので、いまさらの感はありますが紹介します。
ひとことで言えば.日本はいま、数十年に一度の大きなチャンスを迎えているらしい。
新自由主義の世界観に支えられてきた既存システムへのコンフィデンスが崩れた以上、これからパラダイムシフトが発生するのだけど、結局カジノのオーナーはアメリカ。そのアメリカは中国を封じ込めるためにも地政学的にも強い日本を必要としている。日本は勝てる席に座らせてもらえる順番がきているのだ...。
そのアメリカが最近特に心配ではあり、いまの日本に果たして好機を活かせる力があるのかと考えてしまうけど、分析内容は説得力あり。
著者はバブル期のメガバンク勤務時代に、「これはおかしい」と思い、単身ワシントンに渡り、いまは世界の名だたるヘッジファンドなどプロ向けに情報提供するコンサルティング経営者で、トランスジェンダー。アメリカに渡ることで初めて周りにカミングアウトできて、自分らしく生きることが可能になった。その手腕は錚々たる大物たちから評価されているらしい。こんなすごい日本人いたんだ。この人の半生がまた面白い。
マネーの奔流を30年間見続けてきた専門家がどうしても今伝えたいと思ったこと。もちろん信じるかどうかはそれぞれの自由。でも最近は国内では自虐的な予測記事ばかりだから、読んだあと前向きになれる一冊であることは保証しますよ。


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