新書は面白い.16


『不適切な昭和』葛城明彦 中公新書ラクレ

神保町でもレトロな喫茶店に若い人がたむろしたり、シティポップが流行したり。

懐かしくも新鮮、ここのところ俄かに昭和ブームっぽいけど。

高度成長期。活気に溢れ、人間関係もずっと濃かった昭和。でも思い出って美化しがちなもの。

このFacebook見てる大半の人は覚えてると思うけど、粗野で下品、汚なくていい加減、いまと比べればとんでもなく不適切な時代でもあった。そんな当時の「ある、ある」がたくさん詰まったこの新書。 あれ、これって自分のこと? そうそう、そういう先輩いたよねー、といちいち頷き、ツッコミ入れながら楽しめた。

・タバコを吸えない場所はほぼなかった。(タバコ吸わないと、真面目なつまんないやつのレッテル貼られちゃう)

・立ちションが普通。(酔っぱらうとどこでも立ちションする先輩いたなあ)

・商店は昼から夕方までしか空いてなかった。(セブンイレブンができた時は衝撃!)

・子供でも酒やタバコは普通に買えた。

・繁華街や幹線道路が不良と暴走族だらけだった。(町田が近かったので、夜中の爆音うるさかったな。)

・30歳過ぎた独身男は気味悪がられていた。

・クチコミ伝説があった。(某ハンバーガーチェーンは猫肉使ってて、早朝店員が猫捕まえるのをみたやつがいるとか。酷い風評被害。)

・小学生男子は皆んなピンポンダッシュ。(はい、やってました!)

・子供が昆虫採集に夢中。(はい、夢中でした!)

・小学生でスカートめくりが流行ってた。(はい、やってました。すみません)

・アイスクリームは冬しか売ってなかった。

・駅のホームでは整列乗車なんかしてなかった。

・芸能人の水泳大会が放映されてた。(お目当てはお決まりのあのハプニングでしたねー)

・テレビでは11時以後は大人の時間。

・ロックは不良の音楽。(バンドやってたので高校で先生にめちゃ目つけられてたよ)

昭和生まれのオヤジ同士なら、この本片手に3時間は語り合える。

なんだか開高健の小説を読み返したくなった。