「むすめたち、よりよく生きよ。」


『小泉今日子と岡崎京子』米澤泉

小泉今日子さんがプロデュースする『ピエタ』の中で繰り返し発せられるフレーズです。昨年京都で『ピエタ』朗読劇のお手伝いをする機会があり、それから小泉さんの独立後の活動について強く関心を持つようになりました。この本も、時代を切り開いたこの二人のきょうこさんがテーマとあれば、ということで即ジャケ買いでした。

男性から可愛がられる理想のアイドル像から脱却、常に時代のロールモデルであり続けた小泉今日子さん。少女漫画を飛び出て現代のリアルなおとなの女を描き衝撃をもたらした岡崎京子さん。この本ではお二人とともに男性目線を意識した赤文字系雑誌から男に媚びない自分らしさを求める青文字系雑誌への変遷についても詳述しています。

コロナ以降の世の中、なんとなく自由さが失われて閉鎖的になってきているような気がしてなりませんが、このお二人が時代に提供してきた価値観についてあらためて考えてみる機会となりました。