新書は面白い④


『最近のウェブ、広告で読みにくくないですか?』鈴木聖也 星海社新書

新書のタイトルって、普段誰しもが漠然と感じてたことを、はっと気づかせ、手に取りたくさせるものが多いですよね。まさに「新書」っていうくらいだから、時代の波をうまく捉えることもヒットの秘訣。このタイトルもうまいなあ。

勝手に流れ始める動画、スクロールしても消えずに追いかけてくる広告や本文読むためにじっと15秒の広告を見なきゃいけないリワード広告、ひとつの記事を読み終えるまでに何度もページをめくり広告に接触しなければならない。

なんだか最近ウェブメディアの記事が広告だらけで読みにくくなってきたなあ、と感じていたのでこのタイトルには激しく同意。

あまりにも汚らしい、不愉快な広告も同掲載の他のまともな広告主やそのメディアにとってもマイナスだと思うんだけど。

同書は、前半で最近どうしてこんなに広告だらけになったのかというカラクリを解説。でも結局はPVばかり追い求めても全然お金になっていない現状と、まさに転換期を迎えつつあるウェブメディアについて語っている。

ウェブメディア編集長としての著者の主張は意外にも前掲の『持続可能なメディア』とかなり近い。

「ブランドも含めた自分たちのアセットを分析することで、生存確率を上げること」

星海社新書は、ライトノベルス分析などのサブカルテーマから瀧本哲史のような天才の本まで、他社では出しにくい独自のラインナップなので気になる本も多い。でも、ページ数の割にお値段が!ニッチな内容のものが多いから仕方がないんだけど。

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