2024年6月30日

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「頑張れ。頑張ろうな。この三年間何度も言われてそのたびにうるせいよと思った。縁故と同じくらい忌々しい言葉が、なぜか今、目に染みてたまらない」

『ツミデミック』一穂ミチ 直木賞候補作5冊目。最後に読むのはこれと決めてましたが、期待以上でした。 「ツミデミック」とは、「罪」と「パンデミック」を掛け合わせた著者の造語。短編6作全てが新型コロナ×犯罪をテーマとしていま […]

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「熊楠さんは、己を知りたいんとちゃう、己が、己のままに生きられる術を知りたいんじゃ」

『われは熊楠』岩井圭也 まさに天才にして奇人。博覧強記、いや博覧狂気とも言いたくなるような人格の熊楠は、周囲との軋轢が絶えません。せっかく手にした大英博物館での仕事も失い、帰国後も常に金銭には苦労するが、「この世の全てを […]

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