新書は面白い.21

『ドラマで読む韓国 なぜ主人公は復讐を遂げるのか』金光英光 NHK新書
昨夜は21時半頃からイカゲームシーズン2の第5話から観はじめた。1、2話観てから寝るつもりだった。だけども止まらなくなり、結局朝5時まで観続け、なんとシーズン3のラストまで通してしまった。
朝刊を郵便受けから出してから就寝。我ながらいい歳して何やってるんだと反省。だけど韓国ドラマシリーズは完徹させてしまうほど面白い作品が多い。ほんと、危険。
著者は30年近くソウルに在住し、数多くのドラマ・映画の字幕翻訳を手掛けている。この新書では、韓国現代社会が抱える様々な問題、例えば財閥に対する羨望と嫉妬の国民感情、学歴偏重社会がもたらす受験戦争の異常な過熱、食事から生まれる仲間意識、人脈がモノを言う社会、上下関係、ジェンダー対立などを、ドラマ・映画作品での描かれ方を例に挙げながらわかりやすく紐解いてくれる。
ドラマを観るうえでのポイントも教えてくれる。例えば敬語や呼称。登場人物間の上下関係や親密さの変化を表すのでとても大事。そういえば昨夜観ていたイカゲームでも、登場人物たちが出会っていきなり互いの年齢をすぐに確認し合って、誰が誰に敬語を使うべきか決めていたな。
日本では聞きなれない「代理満足」という表現。
韓国の法律は世界的に比較してとても緩い。さらに財閥関係者は司法まで抱き込んでしまうので、何をしても実刑になることはまずない。法律が、社会がさばいてくれないからドラマ・映画の中で私的復讐する作品が人気になる。社会問題や事件がドラマ化される早さも特徴。ドラマがエンタメだけでなく、社会問題を定義する役割も果たしている。
ドラマの主人公の名前が正式な法律名になることだってあるらしい。チャン・グレ法、これは「ミセン」の主人公の名前。35歳以上の非正規雇用契約を2年以内から4年以内に延ばす法律。
2000年初頭、韓国テレビドラマの制作費は1話200万円程度、日本の10分の1だったそうだ。それが今は平均10ウォン、1.1億円。隔世の感。政府の2024年のコンテンツに対する予算は1113.8億円。
予算だけではなく、多くの映画関係者、俳優は大学の演劇映画学科や、国立民間の映画アカデミーでの専門教育による脚本、演技力のレベルの高さも、著者は特徴にあげている。
本書で挙げられている様々な韓国の社会問題、闇の部分や国民性をなどを知ると、ネットフリックスでの人気作品以外にももっといろんなジャンルの作品を観てみたくなる。ますます寝る時間がなくなるね。

